[書評]ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国

おすすめ度:★★☆☆☆(やや説教くさい、具体的な改善につなげづらい)

日米の文化比較や歴史的経緯を踏まえて
日本の色々と良くない点を指摘する書籍です。

タイトルと違って、ソフトウェアにのみ力点をおいているわけではありません。
企業文化を広く比較しています。

私が「へぇ」と感じた点を箇条書きにします。
雰囲気はわかると思います。
  • 米国はソフトウェアの内製比率が高い。ソフトウェア技術者はユーザ企業に雇用されている
  • 米国はセミナーに数十万円を払って参加する。セミナーは数日にわたって開かれており、かなり詳細な質問の交換がされる。また、ネットワーキングにも活用されている
  • 米国CEOはトップセールスを仕掛ける
  • 米国は仕事が不調なら論理立てて上司に説明する。上司はサポートしたりする。
  • 米国はオーナーシップを発揮する。全てのものにオーナーが存在しており、品質に責任を持ち、改善策を考える
内容が薄く広い感じなので、企業文化論を気楽に読みたいときには適した書籍です。

本書では言及されていませんが、私の感想としては、ソフトウェア開発に関する差異は雇用の流動性が関係しているのではないかと思いました。
まず多くのユーザ企業にとってソフトウェア開発には繁閑があり、人員を増減させたいわけですが、
日本は雇用の流動性が低いのでユーザ企業自身で人員を雇用するわけにいかず、SIerに頼ることが多くなります。
また、日本はアメリカほど転職の機会が多くないので社外でも通用する知識を得ることに積極的ではなかったり、ネットワーキングの必要性が薄かったりするのかなと思います。

こうした法的規制を無視した「アメリカを見習おう!」は単なる掛け声に終わってしまいそうですね。

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