[ベストプラクティス]交渉
事前準備、交渉本番で実施すると良いことのリストです。
よって一番重要なのは選ぶ側に立つこと。
選択肢を複数用意しておき、その選択肢同士で競い合ってもらうという構図へと持ち込めるよう事前準備することが一番大切です。
事前準備
- 守るべき最低条件を定めておく
- 代替案を用意しておく
- 代替案がなければ、足元を見られ、譲歩させられてしまいます
- 相手を自分にとってのone of themにすることで選ぶ立場に立つ。交渉は選ぶ立場の方が強い
- 代替案は方向性が異なるものを複数用意しておくと良い。交渉の中で方向性を変えることを検討しやすくなります
- 例: 他の引越し業者という選択肢、そもそも引っ越ししないという選択肢、引っ越しはするが家具の大半を捨てて買い換えるという選択肢
- 自分を相手にとってのオンリーワンだと印象づける作戦を立てる
- 相手の選択肢を分析し、他の選択肢が劣っていると思わせる方法を考えておく
- 交渉タイミングを、相手の選択肢が少ないタイミングに調整する
- 相手の選択の余地を小さくすれば優位に立ちやすくなります
- 互いの価値観と比較優位を整理しておく
- 自分にとって低価値なものが相手にとっては高価値だったりする。そうした交渉材料を提供することで、低コストで大きな見返りを得られる
- こうした価値のギャップは、価値観の違いや比較優位によって生まれる
交渉本番
- 相手を落ち着かせる
- 怒り、悲しみなどで興奮している相手とは交渉ができない。相手に正常な判断力がないからです
- 興奮している相手に対して強気に出たり逆に下手に出過ぎたりすると、火に油を注ぐことになる。あくまでニュートラルな感情で対応する
- 従業員なら誰でも出入り可能な食堂や社外の喫茶店といった第三者が存在するオープンな空間で交渉すると他者の目があるので落ち着いてもらいやすい場合があります。また、万が一何かあった場合に証言者を確保しやすくなります
- 立場の違いに振り回されない
- 立場の違いに応じて丁寧な物腰で交渉に臨むことは大切ですが、だからといって、立場の強い相手に過剰に妥協する必要はありません
- そもそももしも立場が対等ではないなら交渉ではなく"命令"や"お願い"で物事が進むはずです。現に交渉が成立している以上、立場は対等が原則であり、過剰な妥協は不必要です
- 最低条件を明かさない
- 最低条件を明かすと、「その条件で妥結したい」と相手が考え始めて、好条件を引き出しづらくなる(心理学で言うところのアンカリング効果です)
- 交渉の出発点がこちらの最低条件になるので、Win-Winではなく最低条件をベースに妥結点を探る流れになってしまいます
- 条件を提示するときは、以下の順番で話しましょう
- 特徴
- 例: 「この引越し業者は家具の梱包材の厚みが業界ナンバーワンで、1cmもあります」
- 一般的なメリット
- 例: 「なので家具に傷がつきにくいんですよ」
- 相手の事情を踏まえたメリット
- 例: 「お客様はアンティーク家具を多数お持ちですので、それらに傷がつかないという点ではぴったりですから、高くご評価いただけると考えております」
- "特別"という売り文句に惑わされない
- しばしば「今回は特別にこの条件をご提示させていただきます」や「今回は期間限定で特別にこの価格です」といった"特別"が売り文句にされることがありますが、"特別"であろうとなかろうと妥結内容が同じなら得られる結果も同じですから、"特別"かどうかよりも妥結内容そのものを評価すべきです
- また、"特別"の強調はフレーミングの一種であり、有利な妥結内容を引き出すために見境なく使用される傾向がある言葉なので、その点でも信用すぎてはなりません
- 相手にとって"特別"であるかどうかではなく、自分にとってどのようなメリットがあるかで妥結内容を評価すべきです
- 契約と口約束を分けて考える。口約束は割り引いて評価する
- 「書面にはできませんが、ここだけの話……」には要注意
- 相手との関係性に応じて割引率を変える。たとえば口約束を履行してくれた実績がある相手なら割引を小さくするが、初めての交渉相手ならば大きく割引する
選ぶ側に立つことが一番重要
とにかく重要なのは、交渉も需要と供給の原理に従うという事実。よって一番重要なのは選ぶ側に立つこと。
選択肢を複数用意しておき、その選択肢同士で競い合ってもらうという構図へと持ち込めるよう事前準備することが一番大切です。
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